この記事では①本当にあった看護師のマタハラ体験談②それにまつわる法律のお話や妊娠したら知らないと損するマタハラ被害の対処法についてご紹介させていただきます。
さっそくですが、現在妊娠中の方、妊娠を望んでいる方。看護師をしながら妊娠することに不安を感じたことありませんか?

近年問題視されている『マタニティーハラスメント』いわゆる『マタハラ』
あなたの病院でもこれってマタハラなんじゃ?と思ったことありませんか?
私は看護師をしていましたが、妊活のために退職!
妊娠を希望しているけど、このまま看護師をしていたら、万が一妊娠した時に、健康を害してしまうかもしれない、と不安に思ったのです。
病棟の特色上、もはや肉体労働的な部分があるのもそうですが、それよりも不安にさせたのが病棟で妊娠中の看護師たちが受けていたマタハラ!
私の病棟では、実際に妊娠した看護師たちが次々とマタハラ被害にあっているのを見て、不安と恐怖でしかありませんでした。
もしかしたら今でも、マタハラという恐怖と戦いながら、逃れられない看護師もいるかもしれません。
また、マタハラが怖くて妊娠を恐れている人もいるのではないでしょうか?
そんな方たちに、看護師のマタハラ実態と、本当にあったマタハラ体験談を紹介させていただき、マタハラに対してどう対処するべきか?ぜひ、知って欲しいと思います。
今から妊娠を望む看護師、妊娠中の看護師、まさに現在マタハラで悩む看護師の少しでも救いの手になれればと思っています。
まずは知りたい近年問題視されるマタハラの実態とは?

↓こちらは厚生労働省による調査で、企業のマタハラ実態調査になっています。
厚生労働省は2015年9月~10月に、産業や規模別に選んだ6500社で働く25~44歳の女性などを対象に、初の「マタニティー・ハラスメント(マタハラ)」調査をした。12日にされた発表では、マタハラを受けた女性の割合は正社員で21.8%、派遣社員では48.7%と約半数を占め、深刻な被害が明らかとなった。
「求人広告ナビ」より引用
看護師労働実態調査
「受けたことがある」54.9%と「他の職員が受けているのを見たことがある」18.4%を合計した73.3%もの方が、職場のハラスメントを経験していることが示されています。マイナビ独自調査【看護師白書2019年度】
『メディカルサポネット』より引用
看護師だけでなく、職場における「ハラスメント」は、近年深刻な社会問題となっているんです。
では、具体的に看護師のマタハラとは実際どういったものなのか?ここからは本当にあったマタハラ体験談を3つ事例を紹介させて頂きます。
看護師のマタハラ体験談①:ヒステリー独身ナースからのいじわる行為
看護師は人手不足だと言われていて、それに仕事内容も多いし、ほんとうに忙しいですよね。もう激務と言っていいほど!
普段から忙しいのに急変や緊急入院などでさらに忙しさはMAXを超えます。
MAXを超えると、恐ろしいことが起きます。
それはヒステリー独身ナースのキャパが超え、イライラが爆発します。
新人看護師に怒鳴り散らし、物品を取った引き出しを荒々しく閉め、詰め所中に響き渡る。
後輩たちは恐怖で震え上がります。
ものすごいスピードで車椅子を押し、オムツ交換の荒々しい動作。
患者さんたちも恐怖で震え上がります。
普段からイライラしている。こんな先輩がいる中で妊娠すると、とても悲惨なことが起きます。
とある妊婦さんは上司に妊娠報告し、夜勤がストップして日勤のみになりました。
すると、どうしても他のスタッフの夜勤回数が増えますよね。
さらに日勤の業務でも、なるべく妊婦さんには軽介助の患者さんを割り振ります。
その代わりに他のスタッフが重症患者を受け持つことが多くなるのです。
忙しさMAXを超え、さらに自分の負担が増えるとヒステリー先輩はどうなると思いますか?
もう、直接攻撃ですよ。
妊婦さんがいる前で、急に大声出すんですよ。
そんなこと言われると妊婦さんも辛いですよね。
と。仕事の押し付け方がなんとも嫌味!
妊娠したからと言って容赦ない先輩はたくさんいます。
妊婦を普通にこき使います。
看護師のマタハラ体験談②::夜勤がなくならない!?退職に追い込まれた後輩

私たち看護師のシフトを決めるのは病棟責任者である師長ですよね。
シフトを作るのってとても大変そうです。
シフト表を見ながら、ため息をつく師長の姿を何度も見かけたことがあります。
私が看護師をしている時に、病棟師長が途中で変わったのですが、これがまた仕事がとろい、とんでもなく頼りない師長だったのです。
シフトを組むのが苦手で、なかなかシフトが出ないのでスタッフも呆れていました。
さて、私の後輩が妊娠した時のマタハラ体験談です。
安定期に突入していない後輩はまだ周囲に妊娠したことを言えずにいました。
しかし、つわりがひどく、長時間病院に拘束される夜勤はとてもキツイと感じてきたそうで師長に相談したそうです。
はい、話になりませんでした。
言いくるめられた後輩は夜勤を続けます。
しかし、受け持ち患者が夜中に急変し、介助をしている最中に腹痛があったそうですが誰にも言えずそのまま夜勤を続けていたそうです。
そして、とうとう出血しそのまま夜勤が終わって病院に行くと切迫流産寸前でした。
ベッド上安静の指示でなんとか赤ちゃんの命は無事だったそうです。
しかし、こんな大変な目にあったのに、出勤するとシフトから夜勤が消えてないというのです。
さすがに後輩は怒りがこみ上げ、看護部のトップに直談判しに行きました。
その後、師長は上司からこっぴどく怒られていました。
残念ながら嫌気がさした後輩は退職していきました。
看護師のマタハラ体験談③:妊婦に思いやりのない残念な上司

産休前の6週間前までぎりぎり働く看護師妊婦はいます。
でも、大きなお腹でケアをするのは大変ですよね。
そんなの妊娠していない人からみてもわかります。
しかし、相手の立場になって考える思いやりの心を忘れてしまった上司がいました。
ある日、私が受け持っていた患者さんが急変しました。
人工呼吸器をつけ、カテコラミンを投与しシリンジポンプもたくさん使用していました。
いつ、重症化して命に関わってもおかしくない状況であり、私はその患者さんの部屋に入り浸っていました。
残業も連日続いていました。
ある日、この人工呼吸器の患者さんがCTを撮りに行くことになりました。
これが大変なんですよね。
移動中に急変がないか患者さんにモニターを付けて状態を見ながら連れていかなければなりません。
そんな時にふと上司が現れました。
この日も残業になり、看護記録を書いていると先ほどの上司がやってきました。
暇な人でも、さすがに産休直前の妊婦をこき使っちゃいけないでしょ・・・
もちろん、この上司、40歳独身女性です・・・。
看護師が妊娠したら。損しないために絶対に知っておきたい法律と対処法!

妊娠した働く女性の健康を守るための法律があることをご存知ですか?
妊娠を望んでいる看護師の方、現在妊娠中の看護師の方もぜひ知っておいたほうがマタハラが発生した時に対処しやすくなると思います。
先ほど紹介したようなマタハラ体験談に関係した、いくつか法律を紹介します。
「妊産婦が請求した場合には、時間外労働、休日労働、又は深夜業をさせることはできません。」
「妊娠中の女性が請求した場合には、他の軽易な業務に転換させなければなりません。」
労働基準法における母性保護規定の中から抜粋。
体験談の中では、妊娠中のつわりや夜勤が大変だと、相談していますが師長は聞く耳を持たず夜勤を継続させている行為は立派な法律違反です。
違反した者は、なんと6ヶ月以下の懲役又は30万円以下の罰金に処せられます。
さらに、妊娠を望んでいる看護師、妊娠中の看護師にとってありがたい最新の法律があります。
それは、国がパワーハラスメント対策の強化を政策し、いわゆる『パワハラ防止法』を2020年6月から施行しているのです。
パワハラ防止法とは?
厚生労働省はパワーハラスメントの定義をこう示しています。
①優越的な関係を背景とした言動
②業務上必要かつ相当な範囲を超えたもの
③労働者の就業環境が害されるもの(身体的もしくは精神的な苦痛を与えること)
パワハラ防止措置を講じることが事業主の義務付けられ、相談体制の整備や、被害者のケアや再発防止などの取り組みが求められます。
例えば、大学病院のホームページを覗いてみると、ハラスメント窓口がすでに設置されていました。
このように、国がハラスメントを定義してくれたことで、マタハラを受けた時に相談しやすくなり、マタハラへの対処がスムーズになりますよね。
また、パワハラ防止法により、マタハラ被害の調査や措置が義務付けられているため、堂々マタハラを受けた被害者は告発しやすくなったと思います。
体験談の中では、妊婦に対してイライラをぶつけたり、嫌味を言ったり、仕事を押し付けたりしていますがこれはパワハラ定義の③労働者の就業環境が害されるもの(身体的もしくは精神的な苦痛を与えること)に該当しますので、立派なハラスメントと言えるでしょう。
なんて、被害者は相談する時に不安になりますよね。
大丈夫!事業主にハラスメント相談した労働者に対して、事業主が不利益な取り扱いを行うことが禁止する法律も施行されているのです。
法律を知っているのと、知らないのとではやはり大違いですよね。
法律を知らずに、ただただマタハラ被害を受け続け、我慢したり、退職したり、泣き寝入りする・・・それって被害者だけが損すると思います。
マタハラ被害の対処法
①被害の証拠として日時や内容など記録しておく(本格的に証拠集めを希望する方は弁護士に相談するのが良い。)
②人事部やハラスメント相談窓口に相談する
③病院に相談できる部署がない場合、都道府県の雇用環境・均等部(室)はハラスメント相談を受け付けているので、こちらを利用しても良い→都道府県労働局(労働基準監督署、公共職業安定所)所在地一覧
【看護師のマタハラ体験談】妊娠したら知らないと損する法律と対処法!

・ハラスメントを体験した人が多く、近年深刻な社会問題となっている。
・『パワハラ防止法』が施行され2020年6月からはさらに強化。
・事業主がパワハラ防止措置をすることが義務付けられる。
・妊娠した働く女性の健康を守るための法律がある。(労働基準法における母性保護規定、パワハラ防止法)
・紹介したマタハラ体験談は、立派な法律違反だと考えられる。
・母体が法律で守られていることを知らないと、損をする可能性がある。
・マタハラ被害の対処法は、病院の人事部またはハラスメント相談窓口に相談、又は都道府県にもハラスメント窓口が設置されている。
マタハラを受けて苦痛な思いをしている人は、ストレスや無理して働くことは自分の赤ちゃんにも悪影響を及ぼします。
我慢せず、妊婦さんは法律できっちり守られる立場にあるのですから、それを踏まえた上、不当な扱いを受けた場合は、病院の人事部やハラスメント窓口、または都道府県の窓口に相談しましょう!
また、看護師は転職に強い職業ですから、妊娠や出産を機に、新しいライフスタイルに合った病院を探すのもいいと思います♪
独身ばかりの看護師たちに囲まれて働くママさんは形見の狭い思いをしていることも多いです。
ママさんが多い病院など子育てと仕事と両立しやすい職場もあります!


マタハラかな?と不安に感じて、ツライ思いをしている看護師のみなさん。
独りで悩まず、必ず誰かに相談してくださいね!
せっかく授かった命。マタニティーライフを楽しみましょう!
